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永遠に咲き続ける花が散って行く。 その姿はとても豪奢。 「そろそろお前の主が来るな」 「うん。気配がする」 鞘の黒い髪と目に桜色は幻想的だった。 オレの一番はいつでも雅納気様だ。 望むならどんなことでも。 たとえ、二番目に大切な鞘の記憶を消されても。 それでも、オレの中でずっと雅納気様は一番だ。 「一つ、伝えておく」 真剣な目。 これをもう見ることも無いのかと思うと急に寂しさに襲われた。 風が吹いてまた桜が散る。 視界を奪うほどまでに。 「これで最後だ。二度と会うこともない。だから伝えておく」 大丈夫。 寂しくても忘れてしまう。 元に帰れば何もかも。 雅納気様が消してくれる。 「大切だ。ずっと、永遠に。この命尽きるまで。いや、尽きても」 ずるい。 そんなことを今、言うなんて。 「嬉しいよ」 でも悲しい。 どうせ全て忘れてしまう。 こんなに幸せな言葉なのに。 「悪い」 違う。 謝るべきはオレの方なのに。 「・・・ごめん」 二つの声が重なって。 闇に消える。 どうせなら全て忘れてしまいたい。 どうか、消して、はやく。 オレはそれを強く望んだ。 オレの望みは必ず叶う。 END |